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置き換えりゃいいってもんじゃないよ

高齢者向け・お子様向け携帯のことを記事にしようと各キャリアのサイトを見ていたが,機器・割引のとこら辺を見ていて,公私に渡って最近ふと気になることが頭をよぎったのでそれを記事にする.ちょいとだけ過激な言葉が出てくるかもしれないが,予めご了承いただきたい.ここで記事にすることは大昔,何度か記事にしたことの続きみたいなものだから.

最近,公の施設でも「障害者」「障害」という言葉を「障がい者」「障がい」という表記に置き換えているところが増えたなぁ,と感じている.はっきり書いておこう.私は言葉というものが常にうつろうものであり,時代によって変化を伴うものであることは重々承知している.だけど今回の「障がい」の置き換えについてはちょっとおかしくはないかいと思うのだ.

理由は大きく2つある.1つめはものすごい単純.「障害者」と「障がい者」,あくまで私見だがこうして並べてみるともの凄い違和感がない?というかセンスが無いだけではなく言葉の意味すら分からなくなってしまっているよな「障がい者」の方.「害」ということばを「がい」変えてみましたというのが臭いものにフタ的に感じられ,さらに元が「障害者」であったということがほとんどの人が分かってしまう状況だけに,逆に何かの圧力が掛かったような印象を受けてしまうのは私だけか?元々「害」という字から「人に害があるから『障害者』」ととらえてしまっているのが問題であって「体に害のある部位がある人が『障害者』」とか「生活をしていく上で何らかの障害があり,そのことで迷惑を被ってしまっている人が『障害者』」って考えると別に直す必要もないし,むしろ直すべきでは無いと思う.

第2の理由.そもそもが「障害」という言葉自体が「障碍」という言葉の置き換えではある点.「碍」という字が当用漢字でなかったことであるからこの置き換えは仕方が無いと思う.ちなみに電線に付いている絶縁体が「碍子」であることから分かるように,元々の意味は妨げるという意味であった.そこに「害」という文字を割り付けたところから話がややこしくなる.実はそんなに大きな意味の違いは無いのよ.「害」を使おうと「碍」を使おうと.ただ「害」という文字が「妨げる」という意味に加え「人に害を加える」「人に害を与える」等あまり良くない印象を持つ文字だったというのが問題だった.何十年の前のことなのでこのころのことをどうこう言っても仕方が無いのだが,この段階で「障がい者」になっていれば何も問題無かったのだ.あえて今も「障碍者」という表記をする方がいるが,これが一番筋が通っていてスマートな表記だとは個人的には思う.

でここでまた出てくる「言葉狩り」の問題.最初に書いたとおり「言葉というものが常にうつろうものであり,時代によって変化を伴うもの」という考えを持っている.今回俎上にあるのが「障害者」という言葉ではあるが,これまで言葉の言い換え,ちょっとだけ過激に書くと「言葉狩り」をして当事者にとってプラスになったことがあるのか,ということだ.これも私見なので間違っていたら訂正していただきたいが,一部を除いてほぼ無いのでは?例えば「精神分裂病」を「統合失調症」置き換えて何か変わった?むしろ逆効果になっていることはないか?第1の理由のところで書いた「障がい者」という言葉の持つ違和感から多分この置き換えで変わることはないだろうと思う.これが第2の理由.(なおその一部というのは「ハンセン病」で,これは「癩病」(らいびょう)の持つあまりにもネガティブな印象を変えるために必要だった)

商売柄「肢体不自由」「知的障害」という言葉を用いているが,元々は別の表現を使われていたことは知っている.でも例え当時の言葉を使っていようが,今の言葉を使おうが,少なくとも私がいろいろな場で発言したりこのように文章を書く上で,意味は変わりはしないのだ.むしろあまりにも言葉の言い換えが多すぎて混乱している方は,実は多いのではなかろうか.とりあえず今年度から「養護学校」が無くなっていく方向で,今後「特別支援学校」になっていくだろうし,既に校名を変更している学校もあるが,これについても「中身」が変わったことをきっちりと伝えないと,単なる言葉の言い換えだと思われてしまうのではないかな,とちょっとだけ脱線したがそんなことを感じている.

「言葉は意味を持っていて言葉には大きな力がある」これアメリカの支援機器・コミュニケーション機器の大手エーブルネット社がセミナーを行なう際,聴講している方に伝えていること.日本の言霊的な発想にも似た発想で私は非常に好きな文章だ.

何か言葉を変えるのは上っ面だけを変えても意味が無いし,むしろ逆効果のことが多い.だから私はせめてこのblogの記事を書いていく上では「障がい」という表記はしない.一番定着している「障害」という表記を使っていくつもりなので,今後もよろしく.

追記:
とは書いているものの正直に書くと,あまり好きではない表現を使っているところもあるのが実情.この記事を読んで何か意見がある人は是非ともご意見をうかがえれば,と思う.闇雲に言葉を変えて誤魔化すのではなく,きっちりとコミュニケーションをとっていきたい.その中でいい意見があれば採用するかもしれないし.堅っ苦しそうに書いたけどおっ気軽に.このあたり融通は効くタイプ…かな,ということで.

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