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2006年5月

フェラーリの大誤算(2006F1第7戦モナコGP)

5月28日,モナコ・モンテカルロ市街地コースで行なわれた2006年F1第7戦モナコGPを回顧.どこを取っても絵になる美しい市街地コースだが,エスケープゾーンはほとんど無く,一発のミスでクラッシュしてしまう危険なサーキット.雨が降ればそれはそれは凄まじいばかりのサバイバル戦になるところであるが,予選・決勝ともドライコンディション下でレースが行なわれた.

  • 予選フェラーリ2台最後方…
    予選第1セッション,1回めのアタックラップに入ったマッサ(フェラーリ)がカジノ手前でバランスを乱しそのままタイヤウォールにクラッシュ!ここでクラッシュするマシン初めて見た….これでマッサは予選ノータイムとなり最後方グリッドが確定してしまう.やはり若手ドライバーに厳しいサーキットであることを見せ付けられる.第1セッションではいつもの5人がノックアウト.
    第2セッション,今度はハイドフェルド(ザウバーBMW)にスロットルトラブル発生.ポルティエ手前でエスケープロードに退避し早々にノックアウト決定.第2セッションではハイドフェルドに加え,ヴィルヌーブ(ザウバーBMW),バトン(ホンダ),リウッツィ(トロロッソ・コスワース),クリエン(レッドブル・フェラーリ),R.シューマッハがノックアウト.バトン,ここまで予選だけは速かったがここモナコで初のノックアウトとなってしまう.
    問題の第3セッション,序盤にモントーヤ(マクラーレン・メルセデス)が好タイムを出し,各車そのタイムを目標にアタックが繰り返される.搭載燃料の減ってくる残り10分あたりから各車タイヤを履き替え2度めのアタック開始.トップはライコネン(マクラーレン・メルセデス)→M.シューマッハ(フェラーリ)と交代する.問題が発生したのはM.シューマッハの最終アタックのとき.コース終盤の鋭角コーナー・ラスカスでマシンが挙動を乱しコーナー出口でストップ.そのままエンジンがストールしてしまう.当然この場所は黄旗が振られることになる.割を食ったのはアロンソ(ルノー).この出来事が発生している間,彼もアタック中で第2セクションまではトップタイムをマークしていたのだ.しかしラスカスで減速走行を強いられ予選2位のタイムを出すに留まってしまう.
    予選後,M.シューマッハの件とクルサード(レッドブル・フェラーリ)のアタックを妨害したフィジケラ(ルノー)に関して審議が行なわれる.結果,M.シューマッハについては全ての予選タイムの抹消されノータイムとなった.これは妥当だと思う.個人的には彼がこれまで幾多の妨害行為行なってきたことを知っているだけに,今回の件も故意に行なったことと思っている.言ってみれば久々にダークサイドのM.シューマッハが見られたと思いちょっとだけ懐かしかったが,故意にしろそうでないにしろあの位置に車を止めたら厳しい処分を与えるべきだと思う.もう1件についてはフィジケラのベスト3ラップが取消され第3セッション最下位となった.しかしこの間自分が同じことされてピットにまで怒鳴り込んでいったのに,今度は自分で同じことをするとは…何とも.
    予選ではウェバー(ウィリアムズ・コスワース)が奮起しアロンソとともにフロントロウからのスタートとなった.その後にライコネン(マクラーレン・メルセデス),モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)が続く.マクラーレン,復調の兆しか?
  • スタート!大きなトラブルは無し
    決勝スタート,上位陣は慎重にスタートし大きなトラブルは無し.無難にアロンソがホールショットを奪いウェバー,モントーヤ,ライコネンの隊列で1コーナーを通過する.下位グループではミッドランド同士の接触がありモンテイロ(ミッドランド・トヨタ)がマシン修復のためピットに直行.各車がスタートした後,ピットスタートを選択したM.シューマッハがスタート.
  • 序盤は静かに
    レース序盤,モナコにしてはトラブルの少ない走行が続く.ライコネンはオープニングラップでチームメイトのモントーヤをオーバーテイク.2周めに前を行くウェバーを攻略しアロンソ・ライコネンの両者が他車を置き去りにしながらレースが進む.
    後方ではM.シューマッハが早々にスーパーアグリとミッドランドの4台を料理しバトンとバトルを繰り広げる.が,なかなか攻略できず21周めのシケインでインに飛び込みようやくオーバーテイクする.
  • ピット戦略の妙
    ご存知のとおりモナコはオーバーテイクが最も難しいサーキット.タイムを稼ぐにはとにかくクリアに走れることが重要であり,通常のグランプリ以上にピットのタイミングが重要となる.上位陣のピット作業は特に問題なく行なわれた.レースを左右したのは,実はクルサードのピット.作業は問題なし.ピットロード出口では中段のマシンがひしめき合っている.クルサードが戻ったのはM.シューマッハの直前.完全に押さえ込んでしまう形となった.
  • ウェバー脱落
    究極のドライバーサーキットでいいパフォーマンスを見せていたウェバーだが,30周めにエンジントラブル発生.白煙を上げながらピットロード出口付近にマシンを止める.ここでセーフティカー介入.同時に各車ピット作業を行なう.アロンソとライコネンは同時にピットイン.ここはルノーが意地を見せトップで送り出す.
  • ライコネン火災発生!
    ピット作業での逆転ができなかったライコネン.後はセーフティカー解除後のガチンコ勝負で雌雄を決するしか無いのか,と思ったとたんマシンの後方から煙が!モナコ用にタイトに絞り込んだカウルが,セーフティカーランの低速走行のため冷却に問題が発生しどこかに引火した模様.ライコネンはポルティエ手前でマシンを置き,クルーザーに向けてとぼとぼとモンテカルロを散策することに….
  • M.シューマッハの不運
    セーフティカー介入のタイミングでピットに入るがタイミングが悪くアロンソに周回遅れとされてしまう.もし先述のクルサードの戻った位置がM.シューマッハよりも後ろであったとしたら….たらればにはなるが,もしかしたら周回遅れになることなく,さらに上位でフィニッシュできたかも….
  • アロンソ圧連勝
    終盤,3位走行中のバリチェロ(ホンダ)がピットの速度制限違反でドライブスルーのペナルティを受ける.代わりに3位になったのがモナコ2勝のベテラン,クルサード.M.シューマッハは1周先を行くアロンソを抜き,ファステストラップを出しながらバリチェロを追い込むが,追いついたところでチェッカーとなった.
    結果,アロンソが他のマシンの自滅にも助けられ今期4勝めを手中に入れた.2位にモントーヤ,彼に似合わない地道な走りが続いたが結果に結びつけた.3位にベテラン,クルサード,ベテランらしい緩急をつけたドライビングがポディウムに繋がった.以下バリチェロ,M.シューマッハ,フィジケラ,ハイドフェルド,R.シューマッハ(トヨタ)までがポイント獲得.表彰台でスーパーマンのマントを装着したクルサードがなんだか微笑ましい.

最終的に17台完走扱い.スーパーアグリは佐藤が電気系のトラブルでリタイア,チームメイトのモンタニーが16位初完走.

最後にもう一度M.シューマッハのことを書いておこう.レース終盤,彼は1分15秒台(ファステストラップ含)を連発しバリチェロを追い掛け回していた.しかも取った作戦は1ストップ.アロンソは楽勝に見えるが,実はライコネンの離脱が大きく影響しているものと思われる.これもたらればだが,もしM.シューマッハが予選であのようなことをしなかったとしたら…フロントローからスタートし実は軽く優勝できていたのではないかと思うのだ.それだけにあのラスカスでの一件がM.シューマッハ,フェラーリに及ぼした影響は計り知れないものがあるのではないか.地上波ではマッチが「この4ポイントがシーズン終盤に大きな意味をもつことがある」と発言していた.が!それ以上に「勝てたかもしれないレースをみすみす取りこぼし4ポイントしか獲得できなかった」ことも事実なのだ.バリチェロには失礼な書き方だとは思うが,M.シューマッハの敵はバリチェロでは無い,アロンソなのだ.シーズン終盤,どのような影響を及ぼすのか?今はまだ分からないことだが….

次戦,第8戦は1950年にF1GP第1戦が行なわれた伝統のシルバーストーンサーキットで行なわれるイギリスGP.ここを活動の拠点としているチームも多く,テストに多く使用されるためドライバーが知り尽くしているサーキットである.決勝は6月11日.アロンソの快進撃を止めるのは誰か!

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辞典,いつできるの(近況報告なり)

3月中に作り上げる,黄金週間には出来上がる,とひたすらホラを吹きまくっていた「e-AT/AAC/PC辞典」の件,ようやく腰が上がりテンプレートを作りはじめました.…ってまだテンプレートなんかい!って突っ込まれそうですが,そのとおりです.上半期中にはSo-netのサイトの方にアップしたいと考えております.

ちなみに私,デザインセンスというものを持ち合わせておりませんので,かな~り見栄えのしない,地味~なページになるかと思われます.これまでテキスト主体のサイト(BLACKLAND's DAYS)を運営してきてそれなりの方々に見て頂けていたので,あまり気にはしていませんが,ある程度の覚悟はしておいて下さい.

で,アクセシビリティに関してはかなり気を使ってサイトを作っていますが,私がズボラな性格のため「ユーザビリティ」がかなり低い可能性があります.つか,5年前に初めて辞典を作って公開したとき,自分でも分かってしまうあまりのユーザビリティの無さに愕然としたものです.

ま,体調の方もおかげさまで98%までは回復しているので,ぼちぼちと作業を続けて行きたいと思いますので,何か意見がある方は「AT/AAC(用語辞典編)の記事にコメント,トラックバックを入れて頂ければ非常にうれしゅうございます.

個人的には自分の辞典をアップした後,e-AT,AAC関連のWikiをつくろうかなぁと思っていますが,かなり先のことになるかと思われますので,あまり期待せずにお待ち下さいませ.

今日はこんなところで.

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王者の凱旋(2006F1第6戦スペインGP)

5月14日,スペイン,バルセロナ郊外のカタルニアサーキットで行なわれた2006年F1第6戦スペインGPを回顧.前戦ドイツでのヨーロッパGPではM.シューマッハ(フェラーリ)が見事地元で優勝を果たしたが,ここスペインはアロンソ(ルノー)の地元GP.ここでM.シューマッハの逆襲を食い止めることができるのか?以前の記事に書いたことがあるが基本的に「オフィシャルサイトのライブタイミングを見る→地上波のビデオを見る」の流れでF1のレヴューは書いているのだが,見事にライブタイミングがラスト10周でぶっ壊れ混乱.で地上波はどうも好きになれない「マッチでぇ~す」の解説であり,なおかつレース自体も言ってはアレだがあまり面白いレースではなかったので,いつもと趣向を変えてちょっと毒付き気味にまとめてみよう.

  • 予選ルノーがフロントロウ独占
    予選第1セッション,今年で12年めのシーズン,ここが200戦めの大先生ことクルサード(レッドブル・フェラーリ)がクラッシュ!この一発で最後尾確定.開発能力と残留能力の高さおよび荒れたレースでの安定感は超一流,というか信じがたいことに13勝もしているドライバーがこうなってしまうのがノックアウト予選の恐いところ.第1予選はいつもノックアウトされる面子(スーパーアグリ・ミッドランド・トロロッソ)の中からリウッツィ(トロロッソ・コスワース)が4戦連続で第2セッション進出,おめでとう.特筆すべきはミッドランドとスーパーアグリのタイム差.前戦では1.5秒差が今回は0.9秒差,もう少し開発が進むともしかしてもしかするかも….
    続く第2セッション,友人と「ヴィルヌーブが予選最終セッションに進めるか」を賭けた訳だが両者とも「No」.じゃんけんで負けた私が負けた…つかじゃんけんで負けた段階で8割方負けてたような気がしないでもない.まぁ,それは置いとこう.それよりも問題は私の贔屓にしているドライバー「『牙を抜かれた』コロンビアの一匹狼」モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)だ!確かに今年のマクラーレンはルノー・フェラーリの2強に比べて明らかに遅いマシンである.だが,チームメイトのライコネン(マクラーレン・メルセデス)を見てみろ.苦しみながらも最終予選に進んで9番グリッドを獲得している.なのにモントーヤは….トラブルがあったとは言ってもノックアウトはちょっとねぇ…ってことで,この段階で狼から犬に降格ね,モントーヤ.なお,第2セッションではその他ウィリアムズの2台,リウッツィ,クリエン(レッドブル・フェラーリ)がノックアウト.
    最終予選,トップチーム4台が抜けた速さ.マッサ(フェラーリ)だけ微妙かな.結局ルノーの2台がフロントロウ,フェラーリの2台がセカンドロウ,その後ろにホンダとトヨタが仲良く2列に並んで,ライコネンが9番手,ヴィルヌーブのチームメイトでしっかりと最終予選に進んでしまったハイドフェルド(ザウバーBMW)が10番手となった.多分,ルノーが軽めの燃料,フェラーリが若干積んでいる感じ.ホンダとトヨタは…何も書くまい.
  • スタート!ライコネンが好ダッシュ!
    決勝スタート,ルノーとフェラーリは何事も無かったかのように隊列変わらず1コーナー進入,あっさりとアロンソ(ルノー)がホールショット獲得.中段からスタートのライコネン,前にいる日本車4台をあっさりパスして5番手にジャンプアップ.その他大きな混乱は無く序盤は進む.
  • 亀の子モントーヤ
    モンタニー(スーパーアグリ・ホンダ)が駆動系破損で力なくリタイア.その後17周め,私の評価が「犬」になってしまったモントーヤが2~3コーナーでスピンオフ.3コーナーの内側の縁石にどてっ腹を乗せてしまい,亀の子状態で動こうにも動けない.あっさりマシンを離れモントーヤはリタイア.この時点での私の中のモントーヤの株は「狼」→「『牙を抜かれた』狼」→「犬」→「亀」にまで評価を下げた.次は優勝経験のあるモナコなんだからなんとかしてくれよ,モントーヤ!
  • フィジケラ,見事なサポート
    2戦連続で予選第2セッションノックアウトでアロンソのサポートをできなかったフィジケラ.さすがに2番手スタートでそのままの隊列でレースが進むとやるべきことはひとつ.そう「できるだけゆっくりと走ってアロンソとM.シューマッハのギャップを広げる」こと.第1スティント,見事に防波堤となりファステストラップを刻むアロンソに大きなマージンをプレゼント.
  • ホンダとトヨタの明暗…
    予選仲良く3列~4列めに並んだホンダとトヨタは決勝では明暗くっきり.ホンダは相変わらず決勝はタイムは平凡.しかし地味ながらもどうにか両者完走しバトン(ホンダ)が6位,バリチェロ(ホンダ)が7位で2台とも入賞,おめでとう.地上波ではピット作業くらいしか映ってなかったけどねぇ….一方のトヨタ,16周め何の因果かトゥルーリ(トヨタ)とR.シューマッハ(トヨタ)がチームメイト同士で接触….ダメージを負ったR.シューマッハはピットに戻り応急処置を施すも結局は電気系のトラブルでスローダウン,リタイア.トゥルーリはタイヤとのマッチングに苦しみタイムが安定しない厳しい状況.最後は新人ロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース)に追い掛け回されるも,どうにかしのぎきり先輩ドライバーとしての面子がぎりぎりで保つことのできる10位完走となる.
  • レース自体は1回めのピットで終わっていたのだ!
    良くも悪くも先述のとおりフィジケラがセカンドドライバーとして抜群の仕事をしてしまったために1回めのピットの段階でアロンソの優勝は決まってしまったようなもの.燃料を多めに積んで逆転にかけたM.シューマッハもこれではどうしようもない.せめてもの救いは1回めのピット作業終了時にフィジケラを交わして2番手に浮上したことか.
  • ライコネンが切ない…が!
    チームメイトの亀があの様で,単独走行が長かったためなかなか映像に映らなかったライコネン,某解説者に「カタルニアで勝ってチャンピオンになっていないのはライコネンだけ」とまで言われてしまうのが非常に切ない,まぁ先輩のハッキネンもデビューは早かったけど遅咲きのドライバーだったのでファンの方は長~い目で見守って欲しい.レース終盤,バトンが接近するもそこは格の違いを見せて5位完走を果たす.このような状況にも関わらずじんわりじ~んわりポイントを稼いでランキング3位につけているのはさすがである.
  • アロンソ圧勝!
    上位陣はM.シューマッハのブレーキが気になったくらい(というか地上波,現地にいる実況のポエマーと某解説が気付かず,日本にいる片山右京師匠に「ブレーキダストが多いのが気になる」と指摘されるのは見ていてこっちが恥ずかしくなったわ,ホント)で,何事も無く1回めのピット作業終了時の順位のとおりフィニッシュ.ライブタイミングは見事にバグってて実は映像を見るまで結果が把握できていなかったのは内緒である.
    結局優勝は地元凱旋レースを勝利で飾ったアロンソ.チェッカーを受けるときにウェービングしたのが微妙にムカついた,いっそいつぞやの亜久里のようにいきなりピットウォールにどっかんしないかな,したら伝説だな,と思ったが不謹慎すぎるのでこの辺りにしておく.まぁ,地元凱旋レースで見事優勝ということで異様に盛り上がっていたのは印象的で良かったのではないかな.書かなくても分かることだが2位にM.シューマッハ,3位にフィジケラ.以下マッサ,ライコネン,バトン,バリチェロ,ハイドフェルドまでが入賞,ポイントを獲得.

最終的に17台完走.さすがにテストによく使用されるサーキットだけにトラブルは少なく共倒れになったチーム無し.佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)はテールエンド17位ながら久々の完走.決勝ではまだまだ厳しいかもしれないが,せめて光明の見えかけた予選でスーパーラップを見せて欲しい.

ここでまだまだ早いが現時点でのポイントをおさらい.アロンソとのドライバーズポイントの差はM.シューマッハが15ポイントのビハインド,ライコネンがちょうどダブルスコアで27ポイント差.ルノーとのコンストラクターズポイントはフェラーリが19ポイント,マクラーレンが36ポイントのビハインド,いやぁ,これは思っている以上に苦しいなマクラーレン.

次戦,第7戦は美しくも危険なモンテカルロ市街地コースで行なわれるモナコGP.究極のドライバーズサーキットだけに意外な伏兵が潜んでいるかもしれない.決勝は5月28日(日).できれば今回のようなネタに走ることなく普通の記事が書ける熱いレースを期待したい.

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1秒を隠し持つ走り(2006F1第5戦ヨーロッパGP)

5月7日,ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで行なわれた2006年F1第5戦ヨーロッパGPを回顧.決勝当日の天候は晴.第4戦サンマリノGPではM.シューマッハ(フェラーリ)とアロンソ(ルノー)の好バトルの末、フェラーリが久々の勝利を収めたが,ここではどうなのか.では,いつものように…

  • アロンソPP,2番グリッドM.シューマッハ
    まず予選第1セッション,赤旗誤提示など混乱の中ノックアウトされたのはスーパーアグリの2台佐藤(スーパーアグリ・ホンダ)と井出から交代のモンタニー(スーパーアグリ・ホンダ),ミッドランドの2台アルバース(ミッドランド・トヨタ)とモンテイロ(ミッドランド・トヨタ),およびスピード(トロロッソ・コスワース)とクリエン(レッドブル・フェラーリ).クリエンは2戦連続セカンドチームに敗れてノックアウト,大丈夫だろうか?
    続く第2セッション,ここでもまたもや2戦連続でフィジケラ(ルノー)がノックアウト.ヴィルヌーブ(ザウバーBMW)のアウトラップに引っかかったのが原因なのだが….怒るフィジケラに同情はするが,今回の判定(ヴィルヌーブの第3セッションタイム抹消)は納得がいかない.フリーアタック形式の予選の場合,いかにしてクリーンなラップを取ることができるか,ということもドライバー・チームのテクニックだと思うからである.怒鳴り込む気持ちは分かるけどねぇ….最終第3セッション,チームとして速かったのはフェラーリ,最終的にM.シューマッハが2番手,マッサが3番手となる.最後に逆転したのがアロンソ,見事にポールポジション獲得.このときは軽いタンクでタイムを出した,と思ったのだが….あとエンジン交換,予選妨害のタイム抹消でグリッドが錯綜.エンジン規定だけでも何とかならないのか?
  • スタート混乱,セーフティカー導入
    決勝スタート,マッサが好スタートを切り直線でM.シューマッハに並ぶもポジション変わるに至らず.ホールショットはアロンソが獲得する.1コーナーが鋭角でありなおかつ低速コーナーが続くレイアウトのため中段~後方で混乱発生.リウッツィ(トロロッソ・コスワース)がクルサード(レッドブル・フェラーリ)と接触しコース上にストップ.ギアがスタックしたためセーフティカー導入.クルサードはピットに戻るも結局リタイアとなる.
  • 予選アロンソは軽いタンクだったのか?
    結果はNo,ある程度燃料を搭載してアタックしていたことがピットインの段階で判明.フェラーリがフリー走行から速さを示していた中での地味なスーパーラップ.アロンソ,恐るべし!
  • ホンダとトヨタ,今回は
    予選で連続フロントロウを獲得していたバトン(ホンダ)だが予選は振るわず6番手,初めてチームメイトのバリチェロ(ホンダ)が上位に来る4番手となった.決勝でも明暗くっきり.バトンの車にエンジントラブル発生,リタイアとなる.一方のバリチェロ,地道に走って5位入賞を果たす.でもやっぱり予選より下位.荒れたレースだったのに….ホンダ,安定して速いラップを刻めるマシンとピット作業が当面の課題か.トヨタ勢も精彩を欠く.7番手スタートのトゥルーリ(トヨタ),1回めのピット作業終了後タイヤとのマッチングに苦しみ最終的に9位完走,こちらも予選より下….もっと悲惨なのはチームメイト,ここが地元ドイツのR.シューマッハ(トヨタ).10番手からスタートの混乱で下位に沈み,どうにかポイント圏内を走行し上位も狙えるか,というところでエンジントラブル,リタイアとなる.
  • マクラーレンに速さなし
    昨年は圧倒的なスピードを誇ったマクラーレン・メルセデス.まだまだマシンの熟成が足りないのかスピード不足.ライコネン(マクラーレン・メルセデス)は5番手スタート.じりじりと順位を上げピット作業のタイミングの妙でトップを走行.中盤~終盤はマッサに追いすがるが抜くには至らず4位入賞.チームメイト,モントーヤは8番手スタート.浮き沈みの激しい走りでヴィルヌーブ,フィジケラとバトルをするも光るところなし.結局エンジントラブルでリタイア….
  • 1秒を隠し持つ走り
    アラン・プロストの全盛時のお話.彼はいかなるときも無理をせず,常に1秒程度余裕を走行していた.このことを指したのが「1秒を隠し持つ走り」というコトバなのだが,今回それを見せたのがM.シューマッハ.1回めのピットではアロンソを攻略できなかった.これは作戦というよりも前述のアロンソの予選のスーパーラップに伴うものなのだが,M.シューマッハはあせらない.じっくりと2回めのピットストップを待つ.先に動いたアロンソがピットに入るやいなや,隠し持っていた1秒を繰り出し一気に見えない敵アロンソとの差を詰め,追い越す.アロンソから遅れること3周,M.シューマッハが2回めのピット作業を終了しコースに復帰すると…アロンソは後方に.勝負あり.
  • M.シューマッハ連勝,マッサ初表彰台
    結果終始危なげない走りを見せたM.シューマッハがサンマリノGPに続き自身の地元ドイツで連勝.2位にアロンソ,しっかりとポイントをもぎ取ってくる.3位が初表彰台のマッサ.フェラーリとしてはアロンソを交わしてポイントを奪って欲しいところだろうが,まずは表彰台.及第点と言ったところだろう.
    以下,ライコネン,バリチェロ,フィジケラ,ロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース),ヴィルヌーブまでが入賞,ポイントを獲得.

最終的に完走13台.エンジン規定がかなり効いているのか完走率が6割を切る厳しいレースとなった.スーパーアグリの2台,佐藤とモンタニーはともに油圧系トラブルでリタイア.速さも大事だがその前に完走しないと….

第6戦,今度はディフェンディングチャンピオン・アロンソの地元凱旋レースとなるスペインGPは連戦となり決勝は5月14日,場所はおなじみバルセロナ郊外のカタルニアサーキット.地元でフェラーリの攻勢にどう立ち向かうのか,アロンソ.

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「カラフルメリィでオハヨ ~いつもの軽い致命傷の朝~」(ナイロン100℃)観劇記

昨日5月4日,松下IMPホールにナイロン100℃の「カラフルメリィでオハヨ ~いつもの軽い致命傷の朝~」(作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)を観てきたので例により簡単に感想を….

期待以上の出来栄え!やっぱりKERAにとってもナイロンにとっても大事な芝居なんだなぁ.

実はこれまで何度か演劇関連の記事に書いていたとおり,あまり期待してなかったのよ.だいたい観に行こうって決め手が馬渕英俚可が出演するから,っていつぞやの記事に書いたくらいで.「カラフルメリィ~」は劇団健康時代から今回で4度めの上演になるけど,実は生で見るのは今回が初めて.つか前回3演めの上演が1997年,私がまだ徳島にいる頃の出来事で芝居を観るためだけに大阪まで行く金が無かったわけで.一応ビデオは持っていて,それを観た限りではよくできた芝居だけども今更再演も無かろう,という気持ちだったのが観劇前.

再演モノに関してはどうしても前回との比較になりがちなのは予め許して欲しいのだが,個人的には生で観ているつうのもあり今回の方が上.ま,これは当たり前ですな.ただビデオの3演めに比べるとかなりギャグに関してはあまり変わっていないのだが,全体的には話が分かりやすくなり(基本的に映像つかCGは非常に印象的だったオープニングだけだし),そして重い方向にシフトしている気がする.

ここからはネタばれが入ってくるから,まだ公演に行っていない人は注意ね.重くなっているのは多分3演めには無かった,峯村リエ演じるみのすけの息子の嫁が宗教にハマりかけていることが第一の理由だろうな.2幕がはじまってからの比留間家のシーンがそのため長くなりかつ重くなっている.個人的には今回の方が好み.この点は観る人によりかなり意見の分かれるところだと思う.

あと時代をあえて1980年台に設定しているのも,KERAが「私戯曲」と呼んでいることを考えると妙に生々しいというか何というか….この作品ができた過程ってのはナイロン好きの人やKERA好きの人は知っていることだと思うから書かないけどねぇ.ただ3演めのビデオの中で当時のKERAが言っていた,この作品への客観性ってのはかなり上がっているとは感じる.まぁ,いかに本人が客観的とは言ってもKERAの中では絶対いろいろなものがよぎっているハズで,それが見え隠れするのがこの舞台の核であって,誤解を招かれることを承知で書くと面白いところだからね.というか絶対この芝居観ると自分に重ねあわせる部分があると思う,例えば私の場合は亡くなった父と祖父のことが頭をよぎっていたわけで….

パンフレットを見ると2演めにフォーマットが出来上がってそこにどのように味付けをするかがポイントになっていると思うのだが,今回は良かったのではないかな.相変わらずの長尺で3時間超の作品だがそれはもう慣れたしね:)(つか「消失」が1幕もので3時間近いってのがどうかしてた訳で…).

ま,こんなところかな.で,ナイロンの次回作が「ナイス・エイジ」の再演.この作品は大好きなので非常にうれしいのだが,東京公演のみっぽい感じ….前回もそうだったんで再演は大阪に来て欲しいが…しっくりとくる劇場が無いような気がするし.久々に東京遠征するかな,今冬は.

追記その1:
馬渕英俚可,好きな女優さんのひとりなんだけど今回は微妙に浮いてた気がする….まぁ80年代のヘアスタイルなので違和感があったから感じただけかもしれんが.
追記その2:
松下IMPホールのある建物のとなりは言わずと知れたシアターBRAVA!.ここで今やってるのが中島みゆきの「夜会」な.チケット取れなかったから行かないけどね….ちょうど終演のタイミングが重なったようで,大阪ビジネスパークは祭日の夜10時過ぎとは思えない人の多さだったのが印象的だったわ.

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この夏公開の2本の映画のコト

えー黄金週間な訳だが,去年諸般の事情により実家に帰る機会が多かったのと芝居のチケットを押さえた関係上今回は帰省しな~い.大体帰省ラッシュに巻き込まれることは明らかなので,たまには大阪でまったり過ごすのも良いかなと…と思っていたが,昨年は後半ず~っとまったりしてたな,これは失礼.せっかく時間もたっぷりあるので,だらだら~と私の二つの故郷,香川・徳島が舞台となったこの夏公開される2本の映画を軸にあちこちに話を飛ばしながら文章を書いてみよう.

まずは生まれ故郷の香川県.もう公式サイトができているので書いてもよいだろう.香川出身の映画監督・本広克行監督の新作映画のお話.そのタイトルはなんと「UDON」(!).なんか微妙に時期を逸しているというか,またあのバカ騒ぎが起こるのか…などなどいろいろな事が頭をよぎる訳だが,ついに予告編まで流れてるようになってしまった公式サイトを見てみまい.

 UDON

正直なところ諸般の事情でうどんに関することだけに若干頭が痛いのだが,本広監督は私のフェイバリットムービーのひとつ「スペーストラベラーズ」の監督でもあるし,キャストも魅力的な面子が揃っているので,8月の公開を期待「せずに」待とうと思う.予告編をみた感じ,大ハズレは無さげなのでね.

今年3月末から連休前まで香川でみっちりロケが行なわれたのは香川フィルムコミッションの情報や最近こそっと復帰し生暖かく様子を見守っている某メーリングリストの情報から知っていたのだが,エキストラとして参加できるハズもなく映画館で完成品を観ることになるのか,と考えるとちょい勿体無いかも,という気がしないでもない.それにしても公開が夏休みの最終週ってのはどうなの,東宝さん.

あっ,で,香川フィルムコミッションのサイトを久々に訪問して気付いたけど,ここ数年かなり香川ロケの映画撮影続いてるのね.ヒット作あり,ミニシアター系あり,舞台の映画化ありとなかなか幅広く作品が撮られているようでちょっとうれしい.舞台の映画化「阿修羅城の瞳」はDVDで見たけど宮沢りえが美しく非常に良かったです.「UDON」と同じ本広監督の映画でコチラはあまり大々的には公開されなかった「サマータイムマシン・ブルース」(ちなみにこれも舞台の映画化ね)については,作品の特性上最初の15分がかなりだるくちょっと個人的にはお奨めしにくい作品かなぁ….DVD,ボックスで買っちゃったんですが…上野樹里が出てるからってコトで….

次,第2の故郷の徳島県ね.かな~り以前,徳島県の観光課が作った「徳島ロケーション・サービス」っつうのを紹介した覚えがあるんだけど,それとは別にNPO法人の「徳島フィルムコミッション」があるのね.徳島の劇団に所属していた,というか未だに「所属していることになっているハズ」なので,まぁ知ってて当たり前っちゃあ当たり前なのだが….つか四国って4県ともフィルムコミッションがあるのねぇ.大阪に出てきて気付いたけど四国ってやっぱりかなり異質なのかねぇ,日本の中で.

かなり話が脇に逸れたが,徳島県では昨年後半,壮大な映画の撮影が大々的に行なわれたのな.その映画とは「バルトの楽園」.えー,うちの劇団の団長から「エキストラに来る?」と言われ,いつでも徳島に突撃する準備ができていたにも関わらず,何事も無かったかのように日々が過ぎて行ってしまいました.そんなことはどうでもいい.かなりの大作らしいのでまずは公式サイトを見てみて.

 バルトの楽園

ストーリーについては公式サイトを見てね.歴史背景だけ簡単に紹介しておくと,徳島県坂東村(現:鳴門市)には第一次大戦後にドイツ兵の俘虜収容所があったのな.鳴門市には「ドイツ館」っちゅう施設がありましてな,そこで当時の様子を垣間見ることができるので興味のある人は行ってみ.で,この俘虜収容所というのがかなり他の収容所とは異なり,地元の村民との交流があったりとかなり特殊な収容所だった訳.今回の映画ではこの辺りが描かれているものと思われます.

私の知る範囲で徳島ではドイツ兵俘虜収容所を下敷きにした舞台作品が少なくとも2作あって,この辺りのことに詳しくなってしまった次第.かなりネタばれになるおそれがあるので注意して書くが,鳴門市は「第九のふるさと」を自称している.日本で一番最初にベートーベンの第九が演奏されたのが先述の俘虜収容所だったわけです.ちなみにここまで知っているとかなりの部分まで映画を堪能できる,のか?

あとこの映画のオープンセットは保存・公開されるハズなのでまた機会があったら行ってみたいと思う.つか団長の御宅の近くだし~.

ということでどちらの作品も久しぶりに映画館に行ってみてみよう.こんなところで.

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