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盲ろうの方へのAT/AAC

各論の7セクションめ.盲ろう(defblindness)の方へのAT/AACについてまとめる.盲ろうについては,視覚・聴覚両方の障害が重複していることで他の障害に比べると独自の困難がある.

  • 盲ろう者
    • 厚生労働省の調査では全国に約17,000人の盲ろう者が存在すると推定されている(平成8年調査).全国盲ろう者協会で把握できている盲ろう者は560人(内434人は重度盲ろう者)(平成12年調査).
    • 盲ろうは程度・状態別に「全盲ろう」「盲難聴」「弱視ろう」「弱視難聴」の4つに分類される.なお,盲から盲ろうになった人を「盲ベースの盲ろう者」,ろうから盲ろうになった人を「ろうベースの盲ろう者」と分類することもある.
    • 盲ろう者は「コミュニケーション」「情報入手」「移動」に関して特に大きな制限を被る.
    • 「盲ろう」という障害について日本では明確な定義が無く,法令上は存在しない障害となっている.
    • 盲ろう児はさまざまなケースが考えられるが,盲学校・ろう学校・養護学校の障害児学校で教育を受けている.
  • コミュニケーション手段
    • 手話
      手話をメインにコミュニケーションをおこなっていたろう者が盲ろうとなったときに活用される.
      • 弱視手話
        視力が低い,視野が狭い,羞明(異常にまぶしさを感じる状態)などの症状がある場合,話者・通訳者との距離を適切に設定することで手話を読み取る方法.
      • 触手話
        全盲や手話を目で読み取ることができない場合,話者・通訳者の手話の形や位置を手で触れて手話を読み取る方法
    • 点字
      点字を習得した後盲ろうとなった場合,読み書きの手段として点字をアレンジしたコミュニケーション方法を用いることがある.
      • 指点字
        盲ろう者の指を点字タイプライターの6つのキーに見立てて,左右の人差し指からくすり指までの6本の指に直接触れる方法.
      • 点字筆記
        ブリスタ(ドイツ製の速記用点字タイプライタ)の紙テープや点字タイプライタ,文字盤を使用し点字用紙に打ち出してコミュニケーションする方法.
      • 手書き文字
        盲ろう者の手のひらに指先でひらがな,カタカナ,漢字などを書いてコミュニケーションする方法
  • 盲ろう者のための制度
    • 通訳・介助者派遣制度
      通訳・介助者とは盲ろう者のコミュニケーションと移動を保障するための支援者のことであり,通訳・介護者を盲ろう者の要求に応じて派遣するのが通訳・介助者派遣制度と言われる.
    • 日常生活用具給付制度
      一定の基準を満たす盲ろう者は視覚障害者・聴覚障害者用の日常生活給付が行なわれる.また,重度盲ろう者に対しては1999年度よりパソコン用点字ディスプレイも給付される.

次回はWebのアクセシビリティについてまとめる予定.


参考文献・サイト
  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会

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