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AT/AAC機器の導入とサポート

今回は「AT/AAC機器の導入とサポート」についてまとめる.

  • AT/AAC機器導入の手順
    1. オリエンテーション
      • 障害のある方のニーズを把握する.
      • 疑問には親切に答えること.
      • 相談スタッフはAT/AAC機器に関する知識,経験を十分に持っている必要がある.
    2. 導入を前提にした検討
      • 身体機能のチェック
      • 操作方法の検討
        残された身体機能で,無理なく機器操作が可能な部位と操作方法を検討する.
      • 経済的な面の検討
        機器導入によるメリットとそれに対し支払われる経費に関して,本人・ご家族と十分な検討を進める.
      • 家族・介護者の理解
        家族・介護者に機器の持つ意味を理解してもらう.
      • 環境整備の検討
        機器の設置環境に問題がないか検討する.
      • 総合的評価
        各要素をもとに,総合的な評価をする.
    3. 導入
      • 販売・設置業者との連絡
      • 作業役割の明確化
        障害のある人の身体機能に関することはリハビリテーションスタッフや病院のスタッフが,機器本体や周辺の配線処理などが販売・設置業者が行なうよう役割分担をした方が効率的.
      • 適切な設置
        本人が使いやすいことと,他者の邪魔にならないよう適切に設置を行なう.
      • 取扱について分かりやすく説明すること.

    4. フォローアップ
      • 利用者からの連絡を待つだけでなく,設置者側から状況把握するため電話を行なう.
      • 長期的なフォローアップも,機器が継続して利用されるために重要である.
  • サポートに関して
    1. サポートの方法・時間
      • サポートの頻度.期間は,対象者と支援者双方が負担にならないよう配慮する.
      • 1回のサポート時間は最大2時間程度を目安にする.
      • サポートの内容を明確にしておく.
      • 本人が達成感を得られるようにサポートする(はじめから複雑な機能を要求し,失敗すると自身を喪失したり,意欲が低下する).
      • 効率は低くても最初は確実に操作できる方法をまず見つける.
      • ちょっとした言動により相手を不快にしたり,傷つけることがあるので十分に配慮することが必要である.
      • サポート開始前にその日に行なう内容を説明し,終了後に次回行なう内容を確認する.
      • 対象者の体調や操作の様子を確認し,心身に負担がかかるようなサポートは避ける.
      • 対象者の身体状況は日によって大きく異なることを理解しておく.
      • 合間に休憩をとるなど,対象者に無理が内容配慮する.
    2. 機器設置に関して
      • 介助者の動きに可能な限り影響を及ぼさないことに配慮する.
      • 介助者がスイッチや電源コードを引っ掛けないように配線する.
      • ベッドの回りでは水を使用することがあるので,機器にかからないよう配慮する.
      • 床に直接機器を置くのではなく,棚やテーブルの上に置き,水やホコリから機器を守るようにする.
      • ホコリよけのカバーにより機器が誤動作することがあるので注意する.
    3. 機器説明に関して
      • 一度に多くのことを説明するのではなく,最初は基本的なところに留めておく.
      • 情報が多い場合は数回に分けて説明する.
      • 本人だけでなく,ご家族・介助者も同席してもらい,実際に機器操作を体験してもらう.
      • 口頭による説明のみでなく,最低限必要な操作手順は紙に書いておき渡す.
      • 説明の際,イラストや写真を活用する.
    4. サポートの範囲
      • 修理に関しては保証書を添付した上で,購入先もしくはメーカーに依頼をする.
      • 不調の原因がOSやソフトウェアの設定の問題である場合,対象者に作業内容を説明し,同意の上で設定変更を行なう
      • データ破損に備え定期的にバックアップをとる.
      • サポートの際,その他の介助を依頼された場合,技術サポートと介助サポートを明確にし,介護はできない旨を伝えておく.
      • 違法コピーはしない!
      • サポートの目的や範囲,領域を明確にし,責任を持って対処できない場合は,購入先やメーカー,専門的な知識を持った技術者に引継ぎを行なう.
  • サポートとプライバシー
    1. サポート時のプライバシー侵害
      • 初期設定時やインターネットの接続設定時に,支援者はパスワードやメールの送受信記録を個人情報を知る.
      • 一般家庭に訪問した際は家族内の情報を知る.
      • 支援者はそれらの個人情報を漏洩してはならない!
    2. 施設・病院などでパソコンを使用する場合の注意
      • 複数の人が一緒に生活する場所であるため,他者からのプライバシーを侵害される恐れがある.
      • ディスプレイやキーボードが他者から見えないよう,向きを変えたりついたてを利用する.
      • 採光に問題が生じたり,不適切な操作姿勢を強いないようにする.
      • スクリーンリーダーを使用する場合,ヘッドフォンを使用する.
      • パソコンを共同使用する場合,一人一人にユーザー設定を行なう.
      • 施設内LANを構築する場合,明確に責任者を決めておく.またLANに関する情報が施設職員を含む第三者に漏洩しないよう管理を行なう.

次回がとりあえずの最後のまとめ「福祉と教育の制度」である.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会

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