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聴覚障害のある方へのAT/AACその1

障害別の各論に入っていこうと思うのだが,人間全く同じ人はいない訳で,当然障害のある人も同じことが言える.Aさんに適した機器がBさんに適した機器であるとは限らない,ということをよ~く頭に入れておいて頂きたい.ここに書く「AT/AAC」の内容はあくまで私が参考文献を元に知っておいた方が良いと思った内容を記事にしている.今日は聴覚障害に関することをまとめてみたい(単純に自分の修論の題目が「聴覚障害児教育用ソフトウェアの研究開発」だったもので…).文章を書くに辺り,かなり参考文献を参照した.興味のある方は是非とも購入をお勧めする.

今回は主に聴覚障害の種類とコミュニケーション手段および補聴器の種類の紹介を行なっている.

  • 聴覚障害
    日本国内の18歳以上の聴覚・言語障害者数(在宅)は346,000人程度,18歳未満の聴覚・原語障害児数(在宅)は15,200人程度と推測される.
    難聴の定義はいくつかあるが,WHOは軽度(26~40dB),中等度(41~55dB),準重度(56~70dB),重度(71~90dB),最重度(91dB~)と定義している.また,身体障害者福祉法では両耳の聴力の程度が70dB以上を聴覚障害者と定義しており,程度により2級(100dB~),3級(90dB~),4級(80dB~),6級(70dB~)にレベル分けされる.
    難聴の種類は「伝音難聴」「感音難聴」「混合性難聴」の3種類がある.
  • 聴覚障害者のコミュニケーション方法
    聴覚障害者のコミュニケーション方法として次のようなものがある.
    • 筆談…筆談用のボードを使用.中途失聴者になった人で手話でコミュニケーションができない人には便利.先天的な難聴者の場合,手話を用いるケースがあり筆談が苦手な場合もある.
    • 表情・身ぶり・手ぶり
    • 読話…口の動きを読み取る.
    • 空書…空中に文字を書く
    • 手話・指文字…大きく分けて日本手話(主に聾者が使用)と日本語対応手話(主に中途失聴者が使用)の2種類がある.
  • 伝音難聴
    外耳・内耳が伝音系の問題により発生する難聴のこと.代表的な例として,鼓膜の破裂,中耳炎などがあげられる.医学的な治療により改善が可能なケースが多い.症状としては音が小さく聞こえるのが特徴である.
  • 感音難聴
    内耳以降の感覚系(神経など)の問題により発生する難聴のこと.代表低な例として,突発性難聴,老人性難聴があげられる.現在のところ医学的な治療による改善は困難とされる.症状としては,小さく聞こえることに加え,歪んで聞こえるのが特徴である.
  • 混合性難聴
    伝音難聴と感音難聴が混合した難聴のこと.
  • 老人性難聴
    老化により発生する難聴のことであり,20歳代から聴力低下がはじまる.症状としては高い音が聞こえにくくなるのが特徴である.
  • 補聴器
    補聴器は音を増幅する機器であり,伝音難聴に対してはほぼ問題を解決できるが,感音難聴については問題を解決することは難しい.
    形態によって「箱型(ポケット型)補聴器」「耳掛け型補聴器」「挿耳型補聴器」などがある.
    音を伝える方法として「気導式(イヤホン式)」と「骨導式(バイブレータ)式」があり,回路により「アナログ式」と「デジタル式」がある.
    使用にあたっては医師・言語聴覚士に相談した上で調整・フィッティング・訓練を行なう必要がある.
  • 気導式補聴器
    音声を増幅し鼓膜に伝える方式の補聴器のこと.
  • 骨導式補聴器
    音声の振動を直接骨に伝える方式の補聴器のこと.伝音難聴に有効である.
  • デジタル式補聴器
    近年普及しつつある補聴器であり,音声を使用者の聞き取りやすい周波数帯に変換した上増幅したり,特定の周波数帯のみ選択して増幅するといった処理が可能である.
  • 人工内耳
    体内装置と体外装置の2つからなる機器であり,手術により体内装置の電極部分を内耳に挿入する.体外装置にから体内装置に送られた信号により,直接神経を刺激するものである.使用に当たっては医師・言語聴覚士に相談する必要がある.
  • FM補聴器
    しゃべっている人の声を直接マイクでひろいFM電波で補聴器に送るものであり,騒音下で使用される.FM電波を用いるため隣室に漏れたり,混線することがある.
  • 赤外線式補聴器
    しゃべっている人の声を直接マイクでひろい赤外線で補聴器に送るものであり.騒音下で使用される.赤外線を用いるため志向性が強く混線しにくい.
  • ループ
    学校の教室やホールに敷設する磁気誘導コイルのことであり,補聴器の切替スイッチを誘導コイルモードにすると,磁気信号を受信し増幅を行なうもの.

次回は聴覚障害者への支援機器の紹介を行なうので,よろしく.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会

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