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音声読上ソフトウェアの使い方

私のコラムを読んで頂いた方には決してMac OSやWindowsといったGUIが完璧なユーザーインターフェイスでは無いことは分かって頂けたことと思う.かといってUNIXやDOSなどのCUIではメタファーとか無いもんだから,知的に障害がある方や認知に障害のある方にとっては非常に使いにくいもんである.あっ,勿論所謂健常者の人で私みたいなパソコンマニアでない方にとってはきっとGUIの方が使いやすい訳なのだけれど.

GUIが何故完璧でないのか?それは視覚に障害のある方がパソコンを利用している状況を考えてみて頂くと分かりやすい.もし,今ディスプレイがぶっ壊れて画面の見えない状態でパソコンを操作しているのを想像して欲しい.果たしてその状態で使いこなせる方がいるだろうか?答えは多分「いない」であろう.ただ,私の場合,画面のリフレッシュノートを上げすぎたときに画面の見えない状態で強引に操作し,通常の画面に復旧させたことがあるから「いない」ってことはないのかもしれない.どうでもいいが,こんなことはできてしまうのに,何故VGAモードで再起動して画面のプロパティを変えることを思いつかなかったのか,そんな自分が不憫で仕方ないのであるが….

では視覚障害者の場合どのような方法でGUIなOSを使いこなしているのであろうか?大きく分けて3つの方法がある.

1つめは弱視の方の場合であるが画面を拡大するという手法である.これはWindowsには「マイクロソフト拡大鏡」,旧MacOSには「クロースビュー」にその機能がついてある.またもっとユーザーに使いやすいように工夫されたソフトウェアが各メーカーから発売されている.

2つめは点字ディスプレイを使う方法.ただしこれだとコマンドラインしか分からないから何らかの補助が必要になる可能性が非常に高い.CUIだとなんとかなるのだが….画面をそのままピンでできたディスプレイに再現するハードウェアが販売されていることはされている.これでも完璧とは言えないのではあるが.ちなみに大学時代の研究室仲間がやっていた研究が結構面白くて,触覚で色を感じることが出来るのか?というものであった.このような研究がもっと発展すると,よりGUIを使いこなすことのできる視覚障害者が増えるのかもしれない.

3つめが今回俎上にあげる音声読上ソフトである.これはその名のとおりアイコンやらファイルやら,あるいはホームページやテキストファイルの音声読上を行なうソフトである.勿論,それで全ての画面情報が伝わるわけでは無いのだが,一番利用者の多い方法だと思う.

実はこのコラムを書こうと思ったのは視覚障害者のコラムを書くぞ!と急に思い立った訳ではなくある方から面白い使い方を教えて頂いたからなのである.某会社の経理係をやっている方から聞いたのであるが,会計ちゅうのは「読合せ」なる作業を行なわなくてはならないらしい.そりゃそうだ.間違ってたらえらいことだもんな.で,その方がある日ネットサーフをしていてたまたま「音声読上ソフト」を見つけたと.「読合せ」をするのはどうしても2人必要だけど「音声読上ソフト」を使うと1人でできるんじゃないかな,と思ったらしい.

その方法は実際の「読合せ」で使っているそうである.なお,音が出るのでどうしても他の部署の人から見ると?なんて顔をされるらしい.ま,帳簿とにらめっこしながらパソコンから出る合成音声に耳を欹ててる訳で,確かにそうかもね,なんて思ってみたり.でも,今はもっぱら家でのネットサーフやメールの読上げに使っているとのこと.なんでもテキストばっかりを見てると目が疲れて肩がこるというのが理由らしい.

ほー,こんな使い方もあるのか.ユニバーサルデザインみたいじゃのう.なんて思ってコラムを書いてみた.福祉用ソフトウェアって実はもっと面白い使い方があるのでは無かろうか,などとふと思うのであった.

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