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新しいものと古いものの間に

Windows XPのコラムをやっと書くのである.1月中旬にはプレインストールマシーン(hp e-pc42)を手に入れていたにも関わらず何故これまで書かなかったのか,答えは簡単である.「仕事がクソ忙しくマシンを触るヒマがあるはずも無く,なのに他のコラムだけはしっかり書いてきた」という至極個人ベースで運営しているサイトによくありがちな,あたかも「デフレスパイラル」のような螺旋を描いて急降下していくような悪循環に陥っていたからである.大体新しいマシンを触るのは良いけれどほとんどメインで使用しているWindows2000のマシンで事足りるのだから仕方が無い.早い話,WindowsXPにさほどの良い点があるわけでもなく,悪いところがあるわけではない,目新しいのは新しく導入されたユーザーインターフェースである「Luna」ぐらいのもんかなぁ.なんて思ったからコラムが書くにも書けなかったのである.

さて,新しいインターフェースである「Luna」である.はっきり書いてしまうと「見かけ倒し」である.GUIを洗練しようとした努力は認める.ただそれ故にやたらめったらメモリを食ってしまうため,これまでウチんとこにあったマシンではとてもじゃないけれど対応しきれない.そう思ったから新しいマシンを買うに至った訳であるが.とはいうものの,別に軽くしたけりゃ「Luna」を使わないで「クラシックな」インターフェースに変更すりゃいいのである.こうなってしまうとほとんど「Windows 2000」を使用しているのと一体何が違うんだい.なんてことになってしまうのである.まぁ,私の使っているのはWindowsXP Professionalであるからして,ドメインへの参加も可能だがこの小さいお部屋のLANの中で必要かと言われてしまえばそれまでであるし,ネットワーク越しにデスクトップを表示し遠隔操作できる,というのは便利なものではあるがVNCを使えば様々なプラットフォーム上で実現できることであるからしてさほどの利点を感じないのである.

というわけで「Luna」に話を戻そう.MacOS Xの場合の「Aqua」と比較されがちであるがどっちが先に開発したという訳でもないし,類似性には目を瞑ろう.しかしながら半透明化したアイコンを見たところで特に新鮮味があるわけではない.むしろウィンドウがアクティブになっているかどうかが以前に比べて分かりにくくなっているのが問題のように思う.ちなみにWindows95,98,98SE,Me,NT4.0,2000まではデフォルトでアクティブウィンドウのバーの色は青,非アクティブの場合灰色となっており分かりやすかった(反論はあるかもしれないがこの部分に関してはMac OSよりも分かりやすいと思う)のに対し,Windows XPではデフォルトだとアクティブが青,非アクティブは薄い青と区別しにくい.のであるが,これに関しても言ってしまうと「クラシックなデスクトップ」にしてしまえば解決できてしまうのである.ここまで書いてきてしまうと思ってしまうのであるが,なぜ「クラシックな」インターフェースのままいけば良かったのに,なぜ「Luna」を際採用したのか謎である.もっともこれはMacOS Xにも言えることであり,例えOSのベースとなる技術が新しくなったからと言って,これまでのFinderを捨ててまで無理やり「Aqua」を採用する必要は無かったはずであり,このあたりはWindowsXPもMacOS Xも同じ過ちを犯しているという気がしなくは無い.大体これまでのWindowsやMacOSを使用してきた人にとってユーザーインターフェースの変更がもたらすものは「混乱」であり,下手すると「間違いを犯してしまう」だけなのである.まぁ,WindowsXPは例の「クラシック」な設定ができるから被害は最小限に食い止められるわけであるが….

ここまで読んだ方にはお分かりであろう.MacOS Xと同様にWindows XPに対しても良い印象は抱かないのである.まぁ,このような変革期のOS(WindowsはNTベースにMacOSはUNIXベースに)にあたっては若干の混乱は避けられないもの,と言われてしまえばそれまでなのであるが,なんとか代替措置は設けることが出来なかったのか?

特に福祉関連の商品の開発速度と一般ソフト,OSの開発速度は全く違うのである.MSXが現役でがんばっていたり,アメリカではAppleIIシリーズが教育現場で未だに使用されていることからも明らかなことなのである.なぜ,そのようなことを考慮に入れた開発ができないのかわたしには良く分からない.マイクロソフトに言わせるときっと「XPには9x互換モードがあるからそれを使えば良いじゃないか」というに違いないし,MacOS Xに関しても「クラシック環境使えば良いじゃん」ってところなのであろうが,はっきり言おう.福祉関係の,特に入力支援機器なんてのは非常にシビアなもんであって,9x互換モードであろうが,クラシック環境であろうが使用したところで正常に動作はしないものがほとんどある.特に入力支援機器のインターフェースは古いものが使われてしまっている(PS/2とかADB)が使われていることが多いため動作しないケースがほとんどなのである!特にMacOS Xが悲惨で,ADBが無くなってなんとかADB機器を使用したいという方のために作られたiMate(USB→ADB変換ケーブル)でしのいでいたが,iMateがMacOS Xに対応できずアウトとなってしまっているのが現状である.まぁこれから「ゆっくりと」USBの入力支援機器は序々にできているからこれができれば少しは改善されるであろうが.

このような過渡期において取り残されるのは結局特殊な装置を使ってパソコンの操作を行なっている方(主に障害をもたれた方であるが,それに限らずDTPやCAD/CAMを仕事にしてる方)であり,高齢者なんかはその変化についていけない,これは果たして進歩なのか?新しいものと古いものの間で私はフト思うのだ.

追記
時間はかかるとはいえ「WindowsXP」「MacOS X」対応の福祉関連ソフトは出てくるだろう.そのときはWindowsもMacintoshも「落ちにくい」安定したOSとなっているのであと1年もすりゃ状況がかわるとは思うんだけど…,でもその頃には新しいOSのβ版が公開されているという時期だろうし….結局はタチの悪いイタチごっこなのかなぁ,パソコンとその入力支援装置って.

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