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剣山スーパー林道「リベンジ」爆走記

0.まずは徳島に行く前に…

昨年の「剣山スーパー林道」の大冒険は大変だった.去年のドキュメント小説を読んで頂ければ分かるというものである.なのに,なのにである.あのもやし氏から電話が掛ってきたのである.
 もやし氏:「なぁなぁ,今年も徳島来るんやろ.去年のリベンジやるよなぁ」
 私:「もちろん徳島行きますけど,するんですかぁ?まぁ,いいんですけどどの車使うんですか?」
 もやし氏:「俺の車使う予定やけど…」
 私:「ちょっと待て!あんたの車オイル漏れしとる言うてませんでしたか?」
 もやし氏:「大丈夫,ちょびっとずつ漏れとるから2~3年持つ言うとったで」
 私:「いや…そういうことを言いたいんでは無くって….大体ですね,剣山ですよ!1000メートル級オフロード80キロですよ!スーパー林道なんか走ったら2年分以上の負担を車にかけることになるんですよぉ!あんたは去年のあの悲劇を繰り返したいのですか.」
 もやし氏:「だめ?」
 私:「だめです!私のギャランでいきます!これ決定事項!ちゃんとオイル交換しときますから.」

 結局もやし氏の陰謀に乗せられて,また剣山スーパー林道へ行くことになってしまったのである.

1.下準備

8月11日私は6年間の学生生活を送った徳島へと旅立った.去年とは違い今回のミッションに使う三菱ギャラン10年落ちモデルでのリベンジである.早く着くかと思ったのだがとんでもない大渋滞に巻き込まれてしまい,なんと午後6時到着予定が9時半着になってしまったのである.こんな時間から剣山スーパー林道(ちなみに「つるぎさん」と呼ぶのが正しいが徳島人はどういうわけだか「けんざん」と呼ぶんだな,これが)に行くとあんた,ゴールが朝の4時,徳島着が6時よ6時,でもやっぱり行くんですよね,バカです,バカ….

徳大にとりあえず行ってもやし氏を呼び出す.「どっちの車で行くの?」と彼は言った.だからこの間電話で話しただろう!俺の車だ,ギャランだ,noviから4万円+パソコン修理代で買った奴だ,今日オイル交換だってしてきたんだ,一番安い奴に!

というわけであいもかわらずの2人であったがとりあえずMスBガーで飯を食う.そこで綿密なる打合せを行なった.前回の敗因は準備不足によるものであると判明,言わずもがなである….もやし氏によると彼の友人曰く「スーパー林道に行くときはいざというときの為に食料と照明弾を用意しておけ」とのこと.よく考えてみるとこの段階ですでに負けているような気がする….とにもかくも近くのSンクスで食料,飲み物,照明弾代りの6連発打上げ花火(図1)を買って出発(たびだち)である.


図1 非常食と言えば徳島だけに大塚製薬謹製のポカリとカロリーメイトで決まりやね

2.文明社会とのしばしのお別れ

去年と違い,今回は更なる無茶をしている.上勝町の徳島寄り入り口から木頭村高知寄り出口まで一気に完走を狙うというのである.その距離80キロ.高速道路の80キロはあっちゅう間であるが1000メートル級オフロード,しかも夜道である.どう考えたってアベレージ20キロがせいぜいである.あー,なんでこんなことしてんだろ….

陽気とも陰鬱ともとれる,ある種トランス状態に近い雰囲気の鬱病男と自律神経失調男(兼小麦粉アレルギー,だからうどんが食べれない…)の会話が進む中,上勝町へと車を向ける.山の登りのカーブが楽しいからと,スーパー林道にも入っていないのにコーナーを攻めながら突然現れる対向車に腰を抜かしながら,ようやく目的のスーパー林道が近づいてきた.恐らくは最後のまともな自動販売機がある上勝町の某温泉で自動販売機でジュースを買う.もしかしたらこれが最後の飲み物となるかも知れない.そんな恐怖感を抱きつつ我々は文明社会との別れを告げるのであった.

それから車を進めること約10分,時刻は午後11時30分,いよいよスーパー林道入り口である(図2).


図2 まっすぐに木沢に抜けることも出来るのに…

3.序盤戦(Kamikatsu and Kamiyama to Kisawa)

例によって例のごとく今回もしばらくは舗装道がつづく,前回との大きな違いはしばらくは民家が続くということである.しかし,林道沿いに暮らすっつうのもどんな気持ちなんだかなぁ,などと思いつつ車を進める.今回もどうせ閑なんで,対向車の数および出会った動物の数をチェックしてみることにした.

舗装道が終わるとイキナリの超強烈オフロードである,轍があるのではない.明らかに道路上に水が流れた後があるのだ(図3).恐らくは土の混じった赤い水が流れたハズである,「う~ん,オー・ルージュ」なんていう余裕すらない,明らかに歩いた方が速いスピードで車を進める.こんな状況下なのに車の中では「中学生連れてきたら川の流れの勉強になるね」という大ボケをかましたもやし氏に,私はヒーヒー言いながら運転しているにも関わらずツッコミを入れて差し上げるのであった.


図3 しゃれになっていない路面状況…

巨大岩石を避け,小さい石をタイヤではね,強烈な段差にアンダーパネルをこすりつつ約1時間かけてなんとか木沢村までたどり着いたのだった.

4.ひたすら長~い中盤戦(Kisawa and Koyadaira to Kitou)

木沢村についてようやく昨年のスタート地点国道193号までどうにか辿り着いたということになる(図4).どう考えてみても昨年の方が路面状況は良かった.ただ,ただカーブの先の石に意志をもって突っ込んでいったが為に起こった事故が昨年の結果である.大体あれである.普通石を木と間違えたからといって突っ込んでいく野郎はあんまりこの世の中にいない,約一名を除いては….ここだけの話であるが,はっきりいってメカには弱いが運転テクニックは私の方が上のハズである.ただ,精神安定剤を飲むと判断能力があからさまに下がるので,普段は下手に思われているだけなのである.そんな状況で運転するなよ,たってあんた,だから事故3連発起して去年の夏休んじゃったんじゃん.というわけで当たり前のことであるが,今回,この「リベンジ」を行なうにあたっては当然薬は飲んでない.いやぁ,仕事のときとは違ってなんと準備の良いことであろう!


図4 国道193号線の看板

一応ここで若干の休憩を入れる.多分,私思うにここまでの工程がもっともハードだったのではないのかいな,と言ったらもやし氏は「気を抜くな,去年はここから先であの悲劇が起こったやろ」とひどくまともなことを言うのである.雨降って地すべり,みたくならなければ良いのだがと若干の不安が心をよぎる.この国道193号線でなぜか神山町より木沢村方面へと向かう車が2台あった.「ここから先が難所やのに大丈夫なんですかねぇ」「こんな夜中に国道193号のオフロード部分(実際地図には「通行不可」と書かれているものもある)を走るゆうたらアホやな」とはこれから真夜中にスーパー林道を走るバカ2人の会話である.

やがて休憩も終わり昨年の魔の地点に向けて車を進める.やっぱりどう考えても路面状況はこちらのほうが良い.若干の落石はあるのだが,時速20キロで走ると屁みたいなもんである.しかし,去年の事故のポイントへはなかなか辿り着かない.結構,すぐ事故ったような気がしたのだが….1時間ほど走って昨年の地獄の行軍の際に下の集落へ降りていく道のところへやってきた.

今年はここを歩かなくてもいいようにと自分自身に祈りを捧げる.無神論者の私ではあるが,なぜか盆正月にはきっちり実家に帰るという「律儀」な私である.やっぱり信じるのは自分自身なのである,となりにいるもやし氏は今回は単なるしゃべる置物なのである,ちょっとでっかい(身長185cm)のボケ専門のファービーくんなのである.

あらためて去年の事故ポイントから車停止ポイントである「にくぶち谷」まで走ってみたのであるが,これが結構時間が掛るのである.約30分以上は掛ったであろうか?こんだけの距離を歩いたということは実際のところ30キロどころの騒ぎではない,ほぼフルマラソンに近い距離を歩いたことを確認し感慨にふけるバカ2人.折角だからにくぶち谷で写真を撮ろうと思ったのであるが,なぜかそこにはキャンパーの車とテントが….…なんで去年あんたらおらんかったの….と哀しくなってしまい写真も撮らずに一目散に木頭村を目指す私ともやし氏であった.


図5 やっぱり携帯の圏外なのね,スーパー林道って

5.ラストラン(Kitou)

どうにか木頭村に入るためのスーパー林道中唯一のトンネル,その名も「剣山トンネル」までやってきた.もうここまで来たら大丈夫.木頭村は諸般の事情により恐らく路面はきれいであろうとふんだわたくし,ちょっとしたイタズラを仕掛けるのであった.木頭村区間のみ基本的に全開ギリの走行で行くのである.もちろんもやし氏には内緒である.

やりましたよ.WRCで良くみるスライド走行って奴を.約5回ほどしましたかね.で,もやし氏曰く「俺もスライド走行やったことあるで」「どこでですか?」「冬の上勝で.なんか雪積もっとって路面がアイスバーンになっとって,ちょっと滑ったと思って逆ハン切ったらスピンした」「…」そういうのはスライド走行とは言わない,単なるスピンによるコースオフ・リタイアである.まぁ,とにもかくもバカな会話を繰り広げつつ,午前3時45分ようやく木頭村の国道195号合流地点,つまりはゴールに辿り着いたのであった.


図6 ゴール地点の看板なのである

ゴールした私たちは予め照明弾代りに買っておいた花火をぶっ放してお祝いをするのであった.ま,なにも無くて良かったですわ.

6.データ集

  • 出発時間 8月11日午後11時30分
  • 到着時間 8月12日午前3時45分
  • 鹿 32頭
  • うさぎ 7羽
  • たぬき 2匹
  • よくわからん鹿みたいな黒いの(「かもしか」かなぁ…) 2匹
  • 対向車 0台……

7.今後の展開

 もやし氏:「来年は国道439号線全線制覇やろ」
 私:「…1400メートル級の峠2つですか…」
 もやし氏:「でも舗装されとるで」
 私:「…」
 ということらしいです,ハイ…….

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