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恋歌の達人(村下孝蔵さん)

なんか眠れないのでコラムを書いています.BGMはマイク・オールドフィールドの「TUBLER BELLS III」.なのに書いてるコラムは村下孝蔵さんのことなのです.両方分かる人にはこの異常事態に気付いているのかな,別に大した事でもないんですが(笑).

村下さんのことはいつかコラムに書きたいなとは思っていました.なかなか機会に恵まれなくって.で,先日VTR観劇した「キレイ」の音楽が気に入ったから音楽担当の「メトロファルス」のCDを買いに行ったのですが,インディーズのCDも置いてあるキタやミナミのレコードショップでも見つからない.どうしても「め」のところ探すじゃん.日本に「め」のつくメジャーバンドって多くないからどうしても「む」のところみてしまうじゃん.ほんだらありましたがな村下さんのニューアルバム.ライブ版とか自宅録音のアコースティック版がメインらしいので買おうかと思ったのですが,取り急ぎ他のCD買いたかったのでその場は買いませんでした.が,きっとこのコラムを書いた以上1ヶ月以内におそらく村下さんのCD買ってると思いますです,ハイ.

かく言う私,ギターなるものをはじめたのは実は村下さんの影響をモロに受けたからなのね.私の高校時代,つまりはバブルのはじける直前回りの連中の聴いていた曲といえば,B'zをはじめとするビーイング系の音楽だったりメッセージ性の強いものが好きな人は尾崎豊を聴いていたりという時代だったのね(ちなみに尾崎が死んだのは私の高校時代のことでした).そんな中なぜかクラスにひと~り,遅れてきたフォーク少年が.それが私だったのですね.中でもお気に入りが村下孝蔵師匠だった訳でした.

村下さんの曲で好きな曲を1曲と言われるとベタですが「初恋」ちゅうことになってしまいます.私の本当の「初恋」もあんな風に「夢」だけを見ていたようなというか,「恋に恋してしまう」というかそんな感じだったもので,自分にフィードバックしてあの曲は聴いてしまうのだよ.で,その「初恋」をギターで弾きたい,そう思ったからギターを始めた訳なのさ(まぁ,もっとも「初恋」は結構簡単に弾けちゃう曲なんですがね).

ただよくも悪くも大人になって何度か失恋なんてものを経験してくると胸に染みるのは「踊り子」といった別れの曲かな.村下さんはなにせ別れの曲の名手ですから,失恋したときなんかはわざと村下さんの失恋ソングを聴いてですね,余計に自分を追い込むと逆に立ち上がりがトルクフルになって結構効果覿面です.きっと自分が結婚して子どもが出来たりしたらまた別の曲が好きになったりするんだろうなぁ,なんて最近考えてみたりして.

と,まぁこのように村下さんと言えばニューミュージックとフォークの挟間に咲いた一輪の花という印象で,悪く言うと私と同じフレーズ「遅れてきたフォーク歌手」ってことになるのかなぁ.1980年デビューってことはフォーク全盛ではないし,ニューミュージック時代のはじまりの時期ですもんね.というころで村下さんは「シンガーソングライター」としての側面が多く取り扱われる訳ですが,実はとんでもないギターの名手だったりするのであります.しかもなぜかその姿はアルバムなんかでは見せないんだわ.見せても片鱗くらいです.村下さんのライブには結局行けずじまいだったのですが,ライブの持ちネタにひとりっきりで演奏する「パイプライン」というすさまじいネタがあるらしく,一度観たかったなぁと思うことしきりでございます.事実晩年にはフォーク系の歌人であるにも関わらず,ベンチャーズスタイルのエレキギターの広告に出るという微笑ましいこともやってらっしゃいましたからね.

このような村下さん,私が考えますに大きく3期に区分けができるかなと思うのです.第1期は街3部作からはじまって初恋,踊り子という名曲を残し,体を壊して休養を強いられることになった時期,この時代を私は「フォーク村下」の時代と思っています.復帰後比較的エレクトリックなサウンドを導入していた第2期.アルバム「新日本紀行」は個人的に好きなアルバムです.そしてそれ以降打ち込み系のサウンドを導入していった第3期,結局フォークにしたら名曲かなぁという曲もいかにも打ち込みサウンドになってたからあまり好きではなかったのですが,ライブではフォークサウンド中心だったそうで,それはそれでよかったのかなぁと.結局アルバムでは未完成なサウンドだったと私は感じる中,村下さんは急死されてしまうのであります.私が社会人になった年のことでした.せめて打ち込み系のサウンドで納得させてくれるアルバムを残してくれていたらなぁ,なんて考えるのは切なすぎるので止めようと思います.

村下孝蔵,私にとってギターを持たせてくれた人,初恋の甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれる人,失恋したときは気持ちを休めてくれた人.私はけっして饒舌ではないのでこのようなありがちなことしか書けません.ありがとうございました,村下さん.

結局,途中から村下孝蔵さんのCDに変えちゃったなぁ,アコースティック中心のアルバムをかけてるんだけど,なんか歌声が切なく聴こえるなぁ….涙出てきそう….

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