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第十堰問題

今,徳島で一番ホットな話題といえば“第十堰の可動堰化を問う住民投票を求める署名運動”でしょう.先日(12月2日)に徳島市の署名活動が終わりました.県外の方のために簡単に説明していくと,この計画は現在,吉野川にある“第十堰”を壊して,その下流に“可動堰”(ちょうど長良川のときみたいなの)を作ろう,ってものです.議論を明確にするために自分の立場を明確にしておくと,可動堰化には“反対”の立場です.しかしながら,今回の住民投票を見ていると推進派,反対派とも首を傾けたくなる議論がされていたように思いますので,ここで私の考えを書いておきます.

可動堰化に関する問題で交わされている論点は以下のようなところでしょう.

  1. 環境問題
    可動堰化を行なった場合,水の停滞によりヘドロが溜まり水質が悪化し,生態系が破壊される.
  2. 経済問題
    可動堰化した場合,可動堰の建設費に約1000億円,維持費に年当り7億円に費用がかかる.
  3. 治水問題
    今の第十堰は“60年に一度”の洪水にしか耐えられない.可動堰化した場合,“150年に一度”の洪水まで耐えられる.
  4. 利水問題
    もし,洪水により第十堰が破壊された場合,旧吉野川に水が流れなくなり,鳴門市,板野郡に水道水を供給できなくなる.

簡単ですがこんなところでしょう.1,2は反対派,3.4は賛成派の主張ですね.それぞれに対する私の意見を述べたいと思います.

では,1から….これに関してはまさにおっしゃるとおり,というところです.賛成派によると,可動堰化における環境への影響は「微々たるもの」らしいですが,これは信じることができません.というか,長良川のときにも同じようなことを言ってましたよね.で,河口堰完成後,水質が悪化したのは周知の事実なのですが,あれって「微々たるもの」の範囲らしいですね.また,長良川と吉野川では条件が違う,なんてことも言ってるようですが,そんなの当たり前のことで,「川の流れを止める」ってことに関しては同じなんだから,似たような状況になるんじゃないかな,と考えてしまいます.

2に関しては,これを賛成,反対の材料として考えるのはナンセンスでしょう.だって,利水,治水のために金はかかるものですから.つまり,ここで論じるべきことは,「可動堰が必要かどうか?」ということであり,金云々は後からついてくるもんじゃないでしょうか?
#治水のことを考えると,可動堰にしなくても今後同等の維持費は必要だと思います.

3に関してですが,「60年に一度」とか「150年に一度」とかいうのは意味がないと思います.というのは,「災害を未然に防ぐ」ってことは確かに重要なことなんですが,それ以上に重要のなのは「災害は起こるものである.大切なのは災害が発生したときの対策を考えておくことである」ということではないでしょうか.誰もが思いもしない災害って阪神大震災を見ても分かるように,起こるものですよ.つまり,ここに対する私の意見は「安全のために可動堰をつくるよりは,災害時の対策を立てることがもっと重要」ってな感じになります.また,同様の理由で,この点に対して反対派の皆さんが良く言う,「150年に一度の洪水に備えるといっても可動堰は150年持たない,だから可動堰は必要ない.」という意見もちょっと的外れかなと思います.
#でも,この点って反対派の人にとっては苦しいポイントですよね.もし災害が起こったとして,その時の可動堰化していたとすると「1000年に一度の災害だった」って言われりゃ終わりだし,可動堰化してなかったとすると「可動堰化してなかったから災害が起こった」って言われそうだし.辛いところですよね.

4に関しては,これはそのとおりだと思います.反対派の人もこの点は認めなければならないのではないでしょうか.ここで重要なのは,3にも通じることですが水が一時的に利用できなくなる可能性がある,ということを理解しておきその対策を立てておく,ということでしょう.

結局のところ,重要なのは「可動堰化した場合のメリット」と「可動堰化しなかった場合のメリット」を比較する,っていう点が抜けていると思うんですよ.どちらのメリットが大きいかを考えるということが,賛成派,反対派ともに論じている人が少ないと思います.

私自身は,徳島に必要なのは可動堰を作って環境が悪化した吉野川より,これまでの第十堰のままで美しい吉野川を守る,ということが大切だと考えます.これまで,どこ地方でも「東京のような都市」を目指してきました.幸か不幸か徳島をはじめ四国の4県はその流れから取り残されました.そんな徳島の誇れるもの,それは「美しい風景」と「阿波踊り」です.それを守ってほしいから,私は第十堰の可動堰化に「反対」します.

追記
これを書いたのも随分と以前のことになるなぁ.徳島に行って吉野川の土手の上の道路を走ったり,そこから見える風景を見たりしてるとこの頃を思い出すのです.住民投票のときには既に大阪に来てたんですが,反対派の人から票を入れてくれってメールが来たのももう思い出ですね.あっ,もちろん大東市民になってたんで投票権無かったんですが.

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